大曽根商店街を実際に歩いて感じた、人が集まる街とWeb集客に共通する「導線」の大切さ

こんにちは。株式会社アトマ 代表の坂田です。
先日、大曽根にあるクライアント様を訪問した帰り道、「せっかく近くまで来たのだから」と大曽根商店街を少し散策してみました。大曽根という街自体は昔から馴染みがありますが、商店街を意識して自分の足でじっくり歩いたのは今回が初めてです。
大曽根駅といえば、JR・名鉄・地下鉄・ゆとりーとラインの4路線が乗り入れる非常に利便性の高いターミナル駅。そして少し歩けばバンテリンドーム ナゴヤもあるため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
私個人としても大の野球好きであり、大切なお客様もいらっしゃる街ですので、大曽根はとても大好きな思い入れのある場所でもあります。
ですが、訪れたのは平日の昼間。まだまだ残暑が厳しく、外を歩くだけで汗が吹き出すような時間帯だったことも影響しているとは思います。ただ、それを差し引いても最初に抱いた正直な感想は、「…人がいない」ということでした。
もちろん、私が歩いた一瞬のタイミングだけで商店街全体を評価することはできません。
ですが、普段広告やWebサイトを通じて「どうすれば人に選んでもらえるか」「どう人を導くか」を考えている仕事柄、実際に歩いてみると「街の集客」に関する色々な気づきが見えてきました。
1. 駅から近いのに「行ってみよう」と思わせる導線が弱い
まず感じたのは、大曽根駅から商店街へのアクセス(導線)です。
距離としては駅から決して離れていません。しかし実際に歩いてみると、駅と商店街の間に大きな道路があり、地上をそのまま歩いて自然に商店街へ吸い込まれていくような流れが作れていない印象を受けました。
地下通路はあるものの、初めて来た人が「この先におもしろそうな商店街があるから行ってみよう」と直感的に思えるほどの分かりやすさはありません。
さらに商店街の通りを進んでも、途中で車道によって分断され、信号を渡ってまた進む…という構造になっています。そのため、一つの通りをワクワクしながら歩く気持ちが、途中で何度かつ途切れてしまうのです。

途中で商店街が分断されています
これって、実はWebサイトの作りとまったく同じなんですよね。
どれだけ素晴らしい商品やコンテンツがあっても、そこに至る導線が分かりにくかったり、途中でページが見づらくて離脱したくなったりすると、人は一瞬で立ち去ってしまいます。目的地そのものの魅力だけでなく、「そこへどうストレスなく導くか」は、街もWebも共通して最も重要なポイントなのだと痛感しました。
2. バンテリンドームの集客力を、どう手前で引き込むか
もう一つ気になったのが、近くにある「バンテリンドーム ナゴヤ」という巨大な集客拠点との関係性です。
野球の試合や大規模ライブがある日は、大曽根周辺にもものすごい数の人が集まります。しかし今回歩いた商店街は、ドームとは駅を挟んでちょうど反対側。ドーム帰りの人を商店街の奥まで呼び込むには、明確な「わざわざ向かう理由」が必要です。
私なら、中日ドラゴンズや野球文化との接点をもっと作れないかと考えます。もちろん権利関係等の正式な連携は不可欠ですが、観戦前後に立ち寄りたくなる飲食店、ファンが集う期間限定企画など、「ドームに来た人が、もう一歩足を伸ばしたくなる仕掛け」はまだまだ作れるはずです。
「近くに巨大な集客施設がある」というのは、他の商店街にはない最大の資産です。問題は人の数ではなく、「その人たちにこちらへ来てもらう理由を提示できているか」なのだと思います。

大曽根駅から商店街に向かっての視界です
3. 子どもが「行きたい!」と言う場所になっているか
家族連れを呼び込む視点も欠かせません。商店街自体を目的地にしてもらうには、子どもが「あそこに行きたい!」と声を上げる理由があると強いですよね。
例えば、キャラクターとのコラボ、商店街全体を使ったスタンプラリーや謎解きイベントなど。一つの建物で完結するショッピングモールと違い、複数のお店を歩いて巡る商店街は、「歩くこと自体をゲーム化する体験」と非常に相性が良いはずです。
各店舗をチェックポイントにして親子で楽しく巡ってもらえれば、今まで知らなかったお店に入るきっかけになり、ついでに飲食や買い物を楽しむ流れも生まれます。
今回、私が歩いていて唯一強く目を惹かれたのは、ジグソーパズルなどを扱う趣味性の高い専門店でした。大型商業施設のような「何でも揃う便利さ」では勝てなくても、「ここにしかない尖った専門性」を集めていく方が、商店街として、また違った魅力が生まれるのではないかと感じました。

ジグソーパズル専門店さんです
4. イベントの日だけでなく「普段行く理由」をつくる
大曽根商店街ではさまざまなイベントも開催されているようです。ただ、街づくりの難しいところは「イベントの日だけ賑わえばいいわけではない」という点にあります。
イベントで一度訪れてくれた人に、「今度は普通の日にも来よう」と思ってもらえるか。ここが一番の難所であり、最も大切なポイントです。
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「あそこに行けば面白い専門店がある」
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「子どもと安心して遊べる」
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「観戦の前後はあそこに行くのが我が家の定番」
こうした「普段の習慣になる理由(受け皿)」があって初めて、イベントという“きっかけ”が活きてきます。
これも私たちが広告の仕事で考えていることと全く同じです。広告を出して一瞬アクセスを増やしても、移動した先のWebサイトに魅力やリピートしたくなる仕掛けがなければ、一過性の打ち上げ花火で終わってしまいます。

おわりに
もちろん、私は街づくりや都市計画の専門家ではありません。実際に店を構えている方々には、外からは見えないご苦労や地域ならではの様々な事情があるはずですので、偉そうなことを言うつもりは一切ありません。
ただ、広告やWeb制作に携わる人間として現地を歩いてみたことで、「人が動くとはどういうことか」「行動を起こす理由をどう作るか」を考える、非常に学びの多い時間となりました。
…まあ、汗だくになりながら夢中で商店街を観察している不審なスーツ姿の男(私)は、周りから見たら少し浮いていたかもしれませんが(苦笑)。
やはり、実際に現地へ足を運び、自分の目で見て、自分の足で歩くことでしか気づけない視点がありますね。
これからも仕事の合間などに色々な街やお店を歩きながら、「人が集まる場所」「思わず入りたくなる動線」「想いが伝わる見せ方」を、自分なりに探求していきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

商店街の入口にあるこのお店は暑さでビールを飲みたいこともあり、興味を惹かれました(苦笑)